贈与税は、財産を譲り渡す際に課される税金ですが、適切な制度を活用することで税負担を軽減することができます。今回は、「夫婦間の居住用不動産の贈与の配偶者控除」と「相続時精算課税」という2つの代表的な節税制度について詳しく解説します。
目次
1. 夫婦間の居住用不動産の贈与の配偶者控除
この制度を活用すると、夫婦間で居住用不動産を贈与する際に最大2,000万円の控除を受けることができます。
要件
- 婚姻期間が20年以上であること。
- 配偶者から贈与された財産が、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭であること。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その居住用不動産に住み始め、今後も住む見込みがあること。
注意点
- 居住用不動産とは、実際に居住する土地や建物を指します。
- この控除は、同じ配偶者から一生に一度しか適用を受けることができません。
相談者様

この制度、何度も使えるわけではないんですね。

はい、一生に一度の制度なので、大切なタイミングで活用することが重要です。
申告
贈与税の申告が必要です。申告には次の書類を添付します。
申告を忘れると制度を活用することができませんので、注意しておいてください。
- 戸籍謄本
- 戸籍の附票
- 登記事項証明書
- 評価証明書
2. 相続時精算課税制度
この制度は、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫に財産を贈与する際に選択できる仕組みです。
制度の概要
- 2,500万円までの贈与が非課税。
- 2,500万円を超える部分には、一律20%の贈与税が課されます。
- 贈与時の評価額をもとに計算し、相続時に相続税として清算します。
メリット
- 子や孫が資金を必要とするタイミングに合わせて、まとまった金額を贈与できる。
- 贈与額と相続財産の価額の合計が相続税の基礎控除額以下であれば、贈与税も相続税も発生しない。

贈与時に税金がかからないなら、かなりお得に感じますね。

そうですね。ただし、相続時に清算する仕組みなので、トータルの税負担がゼロになるわけではありません。
注意点
- 一度選択すると撤回できません。 その後、同じ贈与者からの贈与はすべて相続時精算課税の対象となります。
- 小規模宅地等の特例を受けられなくなることがあります。
- 相続税の基礎控除額を超えると、結局相続税として支払う必要がある場合があります。
まとめ
贈与税の節税制度は、ライフプランや相続対策に応じて上手に活用することで、将来の税負担を軽減できます。
- 夫婦間の居住用不動産の贈与の配偶者控除は、一生に一度しか使えない貴重な制度です。
- 相続時精算課税は、早期に資産を移転したい場合に有効ですが、長期的な視点で計画的に利用することが重要です。

どちらの制度を選ぶべきか、悩みますね。

それぞれの制度にはメリットと注意点があります。専門家にご相談いただくことで、お客様にとって最適な方法をご提案いたします。
具体的なケースについてはぜひ専門家にご相談ください。当事務所では、初回相談を無料で承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください!