
相続登記をする予定なのですが、不動産に抵当権がついています。この場合、相続登記と抵当権の抹消登記はどのように進めればいいのでしょうか?

相続登記と抵当権抹消登記は、完済の時期によって手続きの流れが変わります。今回は、その違いを詳しくご説明します。
目次
1. 抵当権が相続開始前に消滅している場合
相続が発生する前に、すでに住宅ローンなどの借入金が完済し、抵当権が消滅しているケースです。
手続きの流れ
ケース1:相続登記を先に行い、その後に抹消登記をする(一般的な方法)
- 相続登記(被相続人から相続人へ所有権を移転)
- 抵当権抹消登記(相続人の名義になった後に抹消手続き)
ケース2:抵当権を先に抹消してから、相続登記をする
- 抵当権抹消登記(相続人の名義になった後に抹消手続き)
- 相続登記(被相続人から相続人へ所有権を移転)
こちらは、遺産分割協議に時間がかかる場合や、先に抵当権を消しておきたい場合に選択される方法です。
添付書類
相続登記に必要な書類
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人の住民票
- 遺産分割協議書(協議による場合)
- 相続人全員の印鑑証明書
- 不動産の固定資産評価証明書
抵当権抹消登記に必要な書類
- 金融機関から発行された抵当権解除証書または弁済証書
- 登記識別情報または登記済証
- 相続人の戸籍謄本(権利を継いだことを証明)
2. 抵当権が相続開始後に消滅した場合
被相続人が亡くなった後に、相続人がローンを完済し、抵当権を抹消するケースです。
手続きの流れ
- まず、相続登記を行う
・相続人へ不動産の名義を移す - その後、抵当権抹消登記を行う
・相続人が不動産の名義人となった後、抵当権を抹消する
3. 相続登記と抵当権抹消登記を同時に申請することは可能か?
基本的には連件申請(同時に申請すること)が可能です。これにより、登記の流れがスムーズになり、手続きの手間を減らすことができます。
相続登記と抹消登記を一括で申請するメリット
- 手続完了までの時間が短縮される
- 登記の順序が確実になる(抹消の後に相続登記を行うなどのミスを防げる)
4. まとめ
- 相続前に抵当権が消滅している場合
・相続登記を先に行い、その後抹消登記をするのが一般的。
・ただし、遺産分割に時間がかかる場合は、先に抵当権を抹消してから相続登記をすることも可能。 - 相続後に抵当権が消滅している場合
・まず相続登記を行い、その後に抵当権抹消登記を行う。 - 相続登記と抵当権抹消登記は、同時申請(連件申請)が可能

なるほど、抵当権の完済時期によって手続きが変わるんですね。どちらの方法がいいか迷った場合はどうすればいいでしょうか?

それぞれのケースによってベストな方法が異なります。相続登記や抵当権抹消登記でお悩みの際は、お気軽にご相談ください!