相談者様

父が亡くなったのですが、自動車の手続きって何をすればいいんでしょうか?

むとう事務所

自動車は相続財産に含まれるため、名義変更などの手続きが必要です。順を追って説明しますね。

自動車の相続とは?

自動車の所有者が亡くなった場合、その後の処理方法(乗り続ける、売却、廃車など)に関わらず、必ず名義変更手続きが必要になります。

この記事では、自動車の名義変更手続きの流れや、その後の手続きについて解説していきます。

自動車の相続手続きの流れ

相続財産の対象になった車の写真

1. 名義の確認

車検証で現在の名義人を確認します。
ローンで購入していた場合、販売店やディーラーが名義人となっているケースがあります。
この場合はディーラーに問い合わせ、一括返済やローン契約の引継ぎの可否を確認する必要があります。

2. 相続人を決める

自動車を相続する人を決めます。
遺言書や遺産分割協議書が必要となりますので、確認をしておきましょう。

車の価格が100万円以下の場合、「遺産分割協議成立申込書」という簡易書類でも手続きできます。この場合は車を相続する人の実印と、100万円以下であることを証明する査定証が必要です。

3. 車庫証明の申請

車庫証明の場所を管轄する警察署で車庫証明を申請します。発行までに1週間程度かかります。

4. 運輸支局で名義変更手続きをする

運輸支局で名義変更の手続きを行います。この際、自動車を相続する人の実印が必要です。

相続後の手続き

相談者様

相続後、そのまま車を使っていいですか?

むとう事務所

はい。ただし、自賠責保険や任意保険の名義変更を必ず行ってください。

車を売却する場合

通常の車を売却する際の書類に加え、相続した車の場合の追加書類が必要となります。

相続の場合に必要となる書類は、相続が発生したこと及び相続人が誰になるかが確認できる書類であれば、他のものでも認められる場合があります。

通常の売却書類相続した車の場合の追加書類
実印、印鑑証明書被相続人の戸籍謄本
自動車検査証遺産分割協議書(遺言書)
自動車税納税証明書
自賠責保険証、リサイクル券

廃車する場合

運輸支局で廃車手続きを行います。必要書類は地域や状況により異なるため、事前確認をおすすめします。

軽自動車の相続手続き

軽自動車は、通常の車の売却と同じ流れで相続手続きを行うことができます。

価値が低いため、相続争いが推定されにくいという理由から、相続人が複数いても、一人で自由に名義変更を行える場合が多いです。

まとめ

自動車の相続手続きが必要な場合は、事前に流れや必要書類を確認したうえで手続きを始めることで、スムーズに相続手続きを完了させることができます。

管轄の支局により必要書類等が異なる場合もありますので、手続きを始める前に、問い合わせをしておくことをお勧めします。

ステップ内容
1. 名義確認車検証で確認、ローンがある場合は販売店へ確認
2. 相続人決定遺言書遺産分割協議書を準備
3. 車庫証明取得警察署で申請(発行まで約1週間)
4. 名義変更運輸支局で手続き、実印が必要
5. 相続後の対応保険の名義変更、または売却・廃車の準備

自動車の相続手続きや相続全般の手続きでお困りの方は、司法書士法人 社労士・行政書士 むとう事務所までお気軽にご相談くださいませ。