

うちは建設業なんですけど、労災保険ってどうなっているんでしょう?現場と事務所で違うって聞いたことがあるんですが…。

いい質問ですね!建設業は、他の業種に比べて特殊な扱いが多いので、ポイントをしっかり押さえておくと安心です。順番にご説明しますね。
建設業の労災保険はどう適用される?
建設業の労災保険は、特徴として「工事現場ごとに適用される」という点があります。これは、工事現場をひとつの独立した事業体とみなし、元請け企業がその事業主とされる仕組みです。
有期事業とは?

有期事業って何ですか?

有期事業とは、工事期間などがあらかじめ決まっている事業のことを言います。建設業では、基本的にこの「有期事業」に該当します。
以下のような要件を満たせば、有期事業を一括してまとめて扱うこともできます。
- 事業主が同一であること
- 一工事の概算保険料が160万円未満
- 一工事の請負金額が1億8,000万円未満
有期事業の一括が適用できた場合、労働保険の年度更新の際に一括して手続きが可能です。
二元適用事業とは?
建設業は「二元適用事業」に該当します。これは、雇用保険と労災保険をそれぞれ別々に申告するという仕組みです。
さらに労災保険は、次の2つに分けて適用されます。
- 現場労災(工事現場の作業員用)
- 事務所労災(事務所で働く事務員用)

うちは事務所に事務員もいるんですが…。

その場合、事務所労災にも加入が必要です!現場作業と事務作業はリスクが異なるので、保険も別枠になります。
特別加入とは?
一般的に労災保険は労働者を対象としていますが、役員や個人事業主も「特別加入」することで、労災保険に入ることができます。
- 第一種特別加入…中小事業主など
- 第二種特別加入…一人親方など
特別加入の条件
特別加入をするためには、以下の条件を満たしていることが必要です。
【中小事業主】
- 雇用する労働者について保険関係が成立していること
- 労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していること
【1人親方】
- 特別加入団体を通じて申し込みをすること
- 労働者を使用していないこと
労働保険事務組合や特別加入団体は、地域の商工会などが対応していることが多いので、加入している商工会に相談するとスムーズに手続きができるでしょう。
また、労働者の雇用要件に関しては、年間に100日以上労働者を使用している場合には、常時労働者を使用しているものとして取り扱いがされます。
保険料の計算方法
計算式は次の通りです
「給付基礎日額 × 365日 × 第一種特別加入保険料率」
- 給付基礎日額は3,500円~25,000円の間で自由に選択できます。
- 日額が低いと、労災時の補償も少なくなりますので、報酬に合わせて適切に設定することが重要です。
労災保険の主な給付内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療費 | 原則として病院の治療費が全額支給されます |
| 休業補償 | 入院4日目以降、給付基礎日額の80%が支給されます |
| 障害給付 | 障害年金(1~7級):給付基礎日額の313~131日分 障害一時金(8~14級):給付基礎日額の503~56日分 特別支給金(1~14級):342万円~8万円 |
| 遺族給付 | 遺族年金:給付基礎日額の245~153日分(最低保証:日額1,000日分) 特別支給金:300万円 |
| 葬祭料 | 以下の高い方が支給されます – 給付基礎日額の60日分 – 給付基礎日額の30日分+31.5万円 |

すごくわかりやすいです。役員も入れるなら検討してみようかな。

はい、特に建設業はケガのリスクが高いので、役員さんも加入しておくと安心ですよ!
まとめ
建設業の労災保険は、他業種と比べて制度が複雑で、現場ごとの管理や事務所・特別加入など細かい区分けが必要です。万が一のときに備えて、しっかりと制度を理解し、適切な加入・運用をしていきましょう。
お困りの際には、社労士・行政書士むとう事務所までお気軽にお問合せください。